それからすぐだった。

成くんは学校に来なくなり、転校したと言うことにされて私達に知らされた。


でも、連れて行かれる最後に成くんは、私の家に寄ってくれて。


黒塗りの乗用車から出てきた彼は、涙を堪えて私に握手を求めた。


『タマ、泣くなよ』

『だって、成くんが泣きそうなんだもん』


施設の人にすぐに車に乗せられて、走り出した車の窓から彼は身を乗り出して手を振ってくれた。










このひまわり畑に、初めて2人で来た年の出来事だった。