彼とは、保育所で初めて会ってすぐに仲良くなった。

きっかけは、私も彼も片親だったこと。子どもの頃の仲間意識は、大人のそれとは比べものにならないくらい強かった。





成くんのお父さんは、私や周りの人にはとても感じの良い人に見えた。


『……今日、タマん家泊まってもいい?』


変化に気づいたのは私だけだった。

小学1年の時、彼の腕に、足に、無数の痣が出来ていた。


『なりくん、それ、』

『あぁ、これ?階段で転けちゃってさぁ、めっちゃ痛そうでしょ』

『……うん、』


成くんは決して、本当のことを言おうとはしなかった。

ご飯が食べれなくても、夜に家を閉め出されても、殴られても蹴られても投げつけられても……絶対、言わなかった。