「あったーっ!」
成くんの横を歩いていくと、すぐに目的の場所は見えてきた。
昔ながらの大きな平屋のお家が今も変わらずそこにあって、内心凄くホッとする。
その反面、お家の後ろにあるはずの黄色がなくて少しだけガッカリ。
「あ、そっか。今冬だから咲いてないのか」
「…………」
「今、バカって思ったろ」
「思ってない!て言うか、むしろ同じこと考えててビックリした」
そう言うと成くんは「タマと一緒かぁ」なんて嫌そうに笑っていた。失礼な。
本当に、変わっていたのは外見と声だけで、それ以外は私の記憶にいる彼と同じだった。