「珠希、あんたお土産忘れてってどうするの」

「あ、ごめ、ありがと」


次の日、結局あまり寝ないままお昼前に家を出た。


今まで夏にしか行ったことがないそこの唯一の目印は、冬には全く当てにならないだろう。


たどり着けるかともの凄い不安を抱えたまま、私はキョロキョロと道を探しながら歩いた。





「もー、なんで2年でこんなに変わってんのよ!」


見慣れない家がそこかしこに立っていて、昔の記憶がぐちゃぐちゃになっていく。

やばい、本当に分かんない。


「……って言うか、まだあんのかな、あそこ」


最悪な予感が頭を過(よ)ぎった。