ディスプレイには<美咲>の名前があった。
「美咲だ……。もしもし美咲?」
『凜さんっ!すみませんいきなり電話して』
「昼休みだから大丈夫。で、どうした?」
この時間に美咲が電話してくるなんて、普段は有り得ない。
『今週の土曜、予定ないなら空けといて下さいっ!』
「土曜?……集会?」
『はいっ!でも今回はうちらだけじゃなくて…夜龍と合同なんです!』
「夜龍…」
夜龍というのはこの辺じゃかなり有名な族。
名前は聞いたことあるけど、実際には会ったことはない―――
「うん、わかった…夏帆も言っとく。じゃあな」