はぁ…
まじで疲れる。
私が口を開こうとすると―――
「斎藤先輩の妹さんが道に迷ってるのを助けたんだよね?凜」
神の声が聞こえた。
「「「え…?」」」
私の周りにいた女子達の視線が声の方へと移る。
もちろんそれは夏帆で。
「――そう。そのお礼に昨日は送ってもらったの」
「……本当に?」
「本当にって……斎藤先輩がお礼したいって言ったからさ……」
ちゃっかり便乗した。
我ながらこの嘘に笑えてくる……
「―――それに私が斎藤先輩に言い寄ると思う?」
この言葉に何も言えなくなった女子達は、諦めたように私の席から離れて行った。