多分、もう皆帰ってしまったと思ってるんだろう。


私が居るなんて、驚くだろうな。




そんなことを考えながら、足音はどんどん近づいて―――




「………」


「………は?」




何ともまぁ……


和弥はリビングに入って来たと同時に、今まで聞いたことのないアホな声を出した。




「第一声がそれかよ」


「あ、いや…。…なんで凜いんの?」


「……なんでと聞かれても…」


「…や、いーや。どうせ聖剛だろ?」




コクんと頷くと、和弥は笑いながら持っていた袋をテーブルに置いた。




「何?買い出し?」


「そ。あいつ無理矢理押し付けやがって。…なのに帰って来たら誰もいねぇし、って…凜がいたな」




そう言って、和弥はいつもの様に笑った。