あの日から、
あのバレンタインの日から時々見る夢がある。
見渡す限りの真っ暗な世界―――
周りには誰もいなくて、私はポツンと立ち尽くして。
暗くて、静かで―――。
『…ん……ね』
え――?
後ろからの声に振り返ると、そこに立っているのは亜由美。
ボロボロの服に、傷だらけの体。
表情はよく見えなくて――
亜由美っ!!
亜由美の方へ走り出すけど、亜由美はどんどん遠くなる。
『り……いじゃ…から………わ……て』
何?
何て言ってんの?
くそっ!
なんで声出ないんだよ!
亜由美…待って!
亜由美……
「亜由美っ!!!」