小さな物音に、人影に、


私は気づかなかった。






「凜っ危ない!!」




え―――?




声の方へ振り返る前に、私の体は突き飛ばされた。




ガッシャーン!!!




倉庫内に鳴り響く大きな音―――


それは、立てかけてあった鉄パイプや廃材が倒れる音だった。




倒れた廃材を見て、私は目を見開いた。




「っ!亜由美!!!!」




亜由美はパイプや廃材の下敷きになっていた。


―――私を庇って。