ふと―――亜由美の方へ視線を移す。 「……凜…」 「亜由美…」 よかった…… かろうじて体は動くみたいだな。 「夏帆……そろそろ終盤だ」 「…分かった。……美咲、みんなを頼んだ」 相手の残りは五人。 私と夏帆で十分だ……。 「……行くよっ」 「あいよ!」 私達は相手に向かって走り出し、ドカッと勢いよく殴り掛かる。 もう…勝ちは見えていた。 だから完全に油断していた。 ―――私が司を殴ろうとした時だった。