「クス…ああ。司は俺だけど?」


「…亜由美は?」


「……はぁ…ったく。おいっ!連れて来いっ」




司の言葉で奥に見えていた扉が開いて、中から亜由美が引きずり出された。




「「亜由美っ!!」」




目の前に倒れた亜由美に、メンバー全員が群がる。


ひどい……なんてもんじゃない。




今日はバレンタイン。


きっと、デートを楽しみにして選んだ可愛い服。


なのに所々破れて、血まみれで……


顔も痣だらけで……。




「っ……」




なんで……


なんで……




「なんでこんなことっ…!!てめぇら何が目的だよ!!!」




私は司に向かって叫ぶ。




すると、司は顔色一つ変えず、冷たく言い捨てた。




「目的はお前だよ、リン」


「………」




――――は?




「目的が私…?どういう…」


「俺達はお前を潰したいだけ。…でもお前を直接攻撃するより、お前の仲間が傷つく方が面白い……だろ?」