男…?
誰?
「あの…。………あ、もしかして司…さん?」
『クスクス…。そうだよ』
電話口で笑っている司という男。
ああ――
この人が司―――。
「で、なんで司さんが亜由美の携帯で…?」
『クス…。伝説の女のくせに…案外鈍臭い?』
「え―――?」
『亜由美の奴、もっと痛め付けていい?』
血の気が引いたとは、まさにこのこと。
バラバラだったピースが綺麗にはまるように、さっきまで疑問ばかりだった頭の中が整理されて、
男が言わんとすることが分かった。
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