ﾋﾟﾘﾘﾘﾘ――
午後4時。
夏帆の部屋で鳴り響くのは、私の携帯。
「ん？亜由美？」
「亜由美から？」
画面に表示されたのは、なぜか亜由美の名前。
今日は司って人と会ってるはずなのに……
あまり深く考えずに、私は通話ボタンを押した。
「もしもし亜由美？どした？」
『………』
「亜由美…？」
呼びかけても何も聞こえない。
何で返事しないの…？
「おーい。亜由美〜？」
「どしたの？亜由美、何かあったの？」
心配そうな夏帆に返事をしようとした時だった。
『………初めまして。REDQUEENのリンさん』
聞こえてきたのは、亜由美の声ではなく、聞き覚えのない男の声だった。
