そして、2月14日―――
吐息が白く、窓の外に広がる雪景色。
今日は恋する女の子が主役のバレンタイン。
そんなイベントに無関係な私は、夏帆の家でくつろいでいた。
「亜由美、今日告るのかなー?」
「んー、どうだろうね〜。でも…うまくいってほしい」
「うん。……亜由美ってば、乙女全開だよねー…。なんか、すげー…」
「あははっ…凜も恋したら超乙女になるんじゃない?」
「……想像出来ないし」
私はまだ子供で、恋心なんて全く分からなかった。
でも恋してる亜由美を見てると、本当にキラキラしてて、いつか自分も恋してみたいな……なんて思っていた。