「りーんっ!」
「わ…って夏帆か。いきなりびっくりすんじゃん」
バンっと勢いよく開いたドアから、遠慮なく入って来る夏帆。
ノックもしないで私の部屋でくつろぐ夏帆を見るのは、もう当たり前のことだ。
「凜、勉強してんの?」
「ん、課題。もうちょいで終わる」
「よしっ終わったら美咲の家行こう」
「…了解」
なんで美咲の家?…と思いつつ、課題を終えた私は夏帆と一緒に美咲の家へと向かった。
「寒い…」
「そりゃ12月だからね。てか凜のコート可愛いー」
「…コートがね(笑)」
もうすぐクリスマス。
村上凜、中学三年の受験生。