「……行かねぇの?」 「…あ。や、いいわ。俺、もう帰るから」 ゆっくりしていけばいいのに… 謙虚な奴だな。 「気をつけて帰ってね、和弥君」 「はい、ありがとうございます。ご飯ご馳走さまでした」 お母さんに見送られて、私と和弥は外へ出た。 「帰り、気をつけろよ」 「おぅ、サンキュっ。凜こそ風邪引くなよ?」 「はいよ」 「……あ」 「ん?」 バイクに跨がって私を見た和弥が、何かを思い出したかのように呟いた。