「和…弥?」
私に降りかかった拳は、和弥の手によって制止された。
「男が女を殴るってぇのは気にくわねー。……凜、お前はバイク乗ってろ」
「でもっ」
「乗ってろ。大丈夫だから」
そう言って和弥は微笑んだ。
そして、ポカンと立ち尽くす私に背を向けて、和弥は男達と向き合った。
「…ほら。来いよ」
「……クソがっ!!テメェも調子乗んじゃねー!」
和弥の一言で、男達は和弥に殴りかかる。
でも和弥の顔面に当たることなく、殴られたのは男達だった。
さすが夜龍の二代目。
―――強い。
あっという間に男達は和弥の足元に倒れた。
「…お前らさぁ、喧嘩売る相手考えろよな?」