「凜、乗って?」


「うん」




男達を無視して、私達はバイクに跨がる―――






ハズだったのに、私は一人の男に腕を掴まれてしまった。


「ねーもう帰るのー?」





こいつらマジで…喧嘩売ってんの?




「離してもらえますか?」


怒鳴ってやりたい気持ちを抑えて、私は嫌味に笑って言ってやった。




「っわ……マジで可愛い」




あれ?逆効果?




「おい……いい加減その手ぇ離せよ」


「ああ?なんだテメェは!?」


「うるせー…さっさと離せってんだろ…」




聞いたことのない和弥の低い声。


声だけで分かる……


和弥、すげぇ怒ってる……