「おう、サンキュー」




冷え切った私の手には、コーヒーの缶。


缶を開けてコーヒーを口にすると、和弥もコーヒーを飲み出した。




「温ったけー…」


「感謝しろよ?」


「感謝しただろーが」


「ははっ、はいはい」




二人でコーヒーを飲みながら、いつの間にか私達は笑い合っていた。


チームメンバー以外とこんな風に笑い合うのは、初めてだった。


この場所が心地好いって思ったのは、きっと無意識だった―――






コーヒーも飲み終わって、もうすでに私達以外はいなくなっていた。




「帰るか」


「ああ。………あ、凜っ」




和弥が言いかけた時だった―――