勢いに任せて、つららさんを車に乗せてしまった。


密室で、二人きり。


つららさんは、戸惑いながらも、ポソリポソリと話してくれる。


「もし、宗助が困っていることがあれば、話して欲しいの。」


可愛いことを言うなよ。
嬉しいけれど、やめて欲しい。
本心を言ったら、困るのはお前だろ?

ただでさえ、今、この空間は駄目なんだから。


「・・・宗助は、私にとっていちばんの、大切な仲間だから・・・」


心に、氷の刃をつきつけられたようだ。

一番大切な仲間・・・か。
つららさんは、残酷な人だ。

・・・そして、男をわかってないっ。



唐突に吹き出した感情。
つららさんをメチャメチャにしてやりたい凶悪な気持ちと、大切にして守りたい気持ち。
あとは、男の本能か。


今まで蓋をして、見ないようにしていた気持ちが、つららさんを絡めとる。


「んっ、んんっ」


下から、うかがうように唇を重ねた。

甘い感触にクラクラする。

肩をトントン叩かれたが、決して離してなんかやらない。



もっと困れ、もっと俺を意識しろよ。



いままでは大切にしてきた。
いずれ壊れる関係なら、自分の手で壊してやる。