なんかコレ、私の独白のようだ。


宗助が聞いてくれているか不安になる。


それでも私は、ゆっくりとしゃべり続けた。


「でね、私は思ったんだ。私は宗助の力になれないのかなって。私、仕事馬鹿なところがあるからさ、仕事に集中しちゃうと周りが見えなくなっちゃうんだよね。だからね、もし、宗助が困っていることがあれば、話して欲しいの」


「私じゃ頼りないかもしれないけど、しゃべるだけですっきりすることだってあるし、仕事の悩みなら、私、一緒に悩めるかもしれない。…宗助は、私にとっていちばんの、大切な仲間だから…」



…。



目の前の信号が、黄色から赤に変わる。


「お前…残酷な奴だな。…教えてやるよ。知ったらつららさん、もっと困るがな」



車が、ゆっくりと止まった。


急に、私を取り巻く気配が濃厚になる。


目の前に陰ができたかと思うと、下から掬いとるように、私の口元に、宗助の唇が重なった。



宗助に、キスをされた…。