『ねぇ新堂君…』


『私は、松本さんと付き合っているわけじゃないから。そこ、修正しておいて』

それだけ言って、電話を切った。


あれっ?
心が少し、モヤッした?


―――まさかね。


特定の彼女がいないな、とは薄々気づいていた。


しかも、女からしてみれば、ほっとけない存在だと思う。


私は、放置しておきますけどね。


だからなのか、仕事中に彼は私に、女の陰を見せない。

プライベートなことだし、私自身も、あまり関心がないことだった。


関わらないでおこう。


そう思って、連絡の取れた仲間と飲みにくり出した。


そういえば、宗助からの連絡が来ていないなぁ。