「お邪魔しました。山下チーフ、明後日、会社で待ってますよ。チーフのいない分、俺がしっかり頑張りますから」


「大げさなんだよ、佐々木」


私は玄関先まで二人を見送る。


二人のおかげで元気が出てきた、ありがとう。


「ますます好きになっちゃいますから、その笑顔辞めて下さい」


苦笑いしながら、佐々木君が言う。
そういえば私、昨日、告白されたんだっけ。


「憧れと好きは違うわ。佐々木君はいい子なんだから、絶対に可愛い彼女が出来ると思うわよ」


お互いに笑い合う。
少しのギクシャクは残るけれど、うん、いつもの通りに戻れそうだ。


「勢いで告白しちゃいましたけど、俺、後悔はしていないっすよ。心変わりしたら言って下さい。じゃあ、おやすみなさい」


爽やかだなぁ。
佐々木君の後ろ姿を見送りながら、お姉さんの気分になってしまった。




「つららさん、どうでもいいが部屋に軽々しく男を招き入れるなよ。しかも、ブラぐらい着けておいてくれ、お願いだから」


佐々木君の姿が見えなくなった頃、後ろにいた宗助がボソッとつぶやいた。


そういえば、汗をかいて気持ちが悪かったから、急いでTシャツを着替えてたんだ。