「そうゆう問題じゃないだろ」


???


「どうして?なんか問題でもあるって言うの?」


「………馬鹿だな、ホント、この方面に対しては学習能力がないっつうか」


宗助はそう言ってハンドルにもたれかかる。


あ、疲れが一気に増しているような…。


そのまま前を向いていたかと思っていたら、宗助は気だるそうに顔だけを私の方に向けてきた。




けれど、何も話さない。


ただ、視線だけが甘く、私を捕らえている。




「馬鹿だな。つららに好意がある男を、そう簡単に部屋に入れようとする」



…なんか段々と恥ずかしくなってきたんですが、私。



「でも、宗助だよ?今まで来たことだってあったでしょ」




私は、宗助をまともに見られなくなってくる。
きっと視線は泳いでいるんだと思うくらい、私の視界はさ迷っていた。



「俺は、自覚しちまったから」


「えっと、それは、その」


「襲うからな」


!?


「これでも我慢してんだよ」


なっ!!


「それでも俺を部屋に入れるのか?」


なんつぅ事を、この男は。


宗助に視界を合わせると、彼は切なそうに笑っていた。