「今日は本当にお疲れさま、昨日からホント、大変だったよね」


鈴木さんの事が一段落して、私は、宗助の車でマンションの前まで送ってもらう。


宗助の方が、私よりも疲れているはずなのにごめんね、ありがとう。


「着いたぞ」


ほどなくして、私たちを乗せた車は、私のマンションにたどり着く。


そうだ!
いい事を思いついた!


宗助の横顔をチラリと盗み見ながら、そっと話しかける。


「宗助、時間は大丈夫かな?…久しぶりに、私の部屋に上がってかない?」


「なんだよ、急に」


宗助は、不審気な視線を私に投げつける。
睨まれていると思ったっておかしくない感じなんですけれど…。


「日頃の感謝を込めて、美味しい紅茶を入れさせてもらおうと思います」


止まった車内の中で、私はペコリと頭を下げた。


「つらら、お前なぁ」


「なによ、私が入れた紅茶は飲めないっていうの?」


自然と、酔っ払いのセリフのような言葉が出てきてしまう。


私、酔ってないのにさっ。

宗助が相手だと、何故かこんな感じになってしまう。


それは、飲み友歴が長いからなんだろうけどね。