「はい、どうぞ。」


大きくないテーブルに、三つのお皿が並んだ。
ちゃんとインスタント中華スープも付けて、だ。


「味の評価はいらないから。お腹が空いてたら、ちゃんと話も出来ないでしょ」


そして、二人をジッと見つめる。


「彼女とか自分の方が美味しいとか思っても、口には出しちゃ駄目だからね」


そのあとは美味しいとも不味いとも言わせずに、三人で黙々とご飯を食べた。


味はまぁまぁかな?
このあとは、絶対に美味しいスイーツが待っていることだし。







「ごちそうさま、…ちゃんと旨かったぞ」


綺麗に食べてくれたあと、宗助がお礼を言ってくれた。


「美味しかったです。お見舞いに来て料理を作ってもらえるなんて、ホントありがとうございます」


いい子だなぁ。


なかば強制的に食べてもらったのに、褒めてもらうとやっぱり嬉しい。


「そんなことしなくてもいいのに」


しかも、佐々木君は食器まで運んでくれた。


「いつもはしないんですけど、俺、山下チーフの部下っすから」


うん、一人のご飯より断然楽しい気がする。