そのタオルケットを身体に掛ながら、本格的に横になる。


そういえば、このソファーで熟睡している秘書を初めて間の当たりにした時、その姿はあまりにも無防備だったような気がした。
ついイタズラ心がウズいてしまい、いろんな事をしようと近づいてはみたが、あまりにもぐっすりと寝ている姿に少し罪悪感を覚えてしまった。


この秘書が監視モニターのシステムを変えてくれたおかげで今回の事件の糸口が掴めたのだから、もう少し寝かしておいてやろう、そう思い、片手間にコンビニにも寄った。


なかなか起きない彼女を、視界の隅にとらえながら俺は仕事をこなす。


そうなんですよね、いつの間にか居て当たり前、苦痛ではない存在になっているんですよね。


彼女は聡い。


俺が女を相手にしている時に使う手段、彼女に言わせるとセクハラらしいんだが、その手段が、単なるコミュニケーションツールだと理解した上で受け流す。


そして、堕ちていく女とは裏腹に、彼女はどんどん成長をしていった。


―――この関係は心地よい。


秘書に対して恋愛感情はないが、利害がない上で、女とこんな関係を築ける自分自身に、少なからず戸惑いもあった。