ピピ、ピピ、ピピ…。


毎朝鳴るようにセットしてあるヒヨコちゃんに手を伸ばす。


あのあと、宗助が追いかけてきてくれてなんか言っていたんだけど、あんまり覚えてはいない。


結局、一人で帰ってきたんだと思う。


「ん〜、まだダルいなぁ〜」


ひとつ背伸びをしてから窓の外をみる。
今ひとつすっきりとしない、曇天の空が広がっていた。

マンションに帰って熱をはかってみたら、体温計は本当に熱があることを教えてくれる。


頭が重い。
まるで、二日酔いの朝みたいだ。


「平日、なんだよね」


カレンダーに目を置きながらため息をつく。
普段ならありえない、のんびりとした朝。


「せっかくだから、もう少し寝よ」


横になって掛布団にくるまる。
仕事のことや元カレのことを考えると、妙にソワソワしてしまって落ち着かないけれど、今は身体を休めなきゃ。


そう思い直して、再び眠りの底に身を任せた。