きっと悪魔は全て計算した上で彼女にメールを送ったんだろう。


多分私が寝ている間に監視モニターを見ていたから、私よりも確信を持って彼女を犯人だと推理していたと思う。

そして、私は彼女を怒らせて油断させるだけのコマに過ぎなかった。

最初に言ってくれれば協力もできたかもしれない。
もしかすると、違った方法もあったかもしれないのに…。


今までの、いたずらめいたセクハラとは違った強引なキス。

最初のキスの後、全力で拒否をすれば辞めてくれたかもしれない。

本当に嫌だったら、そうするべきだったんだ。


なのに、私は…。



「強い力でねじ塞がれるの、熱い身体が入りこんでくる快感。優しいふりをして、容赦なく身体を、心を踏みにじられていくのを私は嬉しいと思ってしまう。貴方にはわかる?」



唐突に美波ちゃんの言葉がよみがえってくる。


私はこばめなかった。



上司としては好きだとは思っていた。

だけど、あの悪魔は最低な男。


ついさっき、目の前でバッサリと切り捨てられた女の子がいたじゃない。