悪魔の肩にもたれかかりながら、私は監視モニターの映像を思い浮かべていた。
確かに、人事部の長谷部さんの姿はあったのかもしれない。
けれど、あまり私の記憶には残っていなかった。
なぜなら、人事部の人間は以前から執務室に訪れることもあるし、実際に、私も長谷部さんとは執務室でお会いしたこともある。
印象はあまりよくなかったというのが本音なんだけど。
「わ、私は、松本さんに会いたいって呼ばれたから…」
受付けの彼女、鈴木さんは、それでも気丈に声を出す。
そうなんだ、彼女が頻繁に監視モニターの映像を横切っていることに、私は疑問を感じていたんだ。
髪型や服装が少しずつ違う。
だけど、モニターのシステムは顔の骨格や耳の形でリストアップしているから、いくら変装をしていても同一人物として映し出されていた。
彼女が、仕事でここを訪れる理由がない。
もしも松本さんとの密会だとしても、この男は、絶対に執務室を利用することはない。
それだけは確信を持って言えるから、もしかしてと思っていたんだ。
「貴方は、人事部の長谷部をたらし込んで何をしていたんです」
悪魔の声が、冷たく響いた。
確かに、人事部の長谷部さんの姿はあったのかもしれない。
けれど、あまり私の記憶には残っていなかった。
なぜなら、人事部の人間は以前から執務室に訪れることもあるし、実際に、私も長谷部さんとは執務室でお会いしたこともある。
印象はあまりよくなかったというのが本音なんだけど。
「わ、私は、松本さんに会いたいって呼ばれたから…」
受付けの彼女、鈴木さんは、それでも気丈に声を出す。
そうなんだ、彼女が頻繁に監視モニターの映像を横切っていることに、私は疑問を感じていたんだ。
髪型や服装が少しずつ違う。
だけど、モニターのシステムは顔の骨格や耳の形でリストアップしているから、いくら変装をしていても同一人物として映し出されていた。
彼女が、仕事でここを訪れる理由がない。
もしも松本さんとの密会だとしても、この男は、絶対に執務室を利用することはない。
それだけは確信を持って言えるから、もしかしてと思っていたんだ。
「貴方は、人事部の長谷部をたらし込んで何をしていたんです」
悪魔の声が、冷たく響いた。