今日も山下秘書は、あちこちに顔を出してはせわしなく動いている。

いい男が二人もいながら、まったく呑気な人。


だから私は、行動に出ることにした。


『市田です、お久しぶりですね。
いつも忙しくて、以前みたいに、なかなかお話しもできなくて寂しいです。
良ければ、お食事でも行きませんか？
美味しいお酒が置いてあるお店を見つけたんです。
早見チーフや、新堂君たちも誘っています。皆で会いましょうよ！』


この人は美味しいお酒に弱いから、絶対にのってくるはずだ。

飲み会を開きながら、酔って油断したときに、彼女の本音を聞いてみたいと思った。



その日の夕方。
私の携帯がキラキラ光る。


『誘ってくれて、ありがとう。
美味しいお酒なんて、凄い楽しみなんだけど！
皆と飲みにいくなんて久しぶりだし、頑張って仕事終わらせるからね』



ほら、返事が届いた。