デートをしたからといって、会社での関係は変わらなかった。
いつもと同じように、時間は流れて行く。

それは、彼に一歩近づいたようで誇らしい気持ちだった私に、ちりちりとした寂しさと焦りの気持ちを呼び起こさせる。



「宗助、おはよう」


「おはよう、つららさんって、今日はどうしたんだ?朝っぱらからこんな所にいて。執務室にいなくていいのかよ」


「今日は、松本さんが単独で打ち合わせに行っているの。相手はあの人を狙っているらしい人みたいだから、私がいると、ことが上手く運ばないって。要するに邪魔なんだってこと」


「なんかそれ凄いな」


「いいのいいの、だから今日は自由なんです!と、いうわけで宗助、私にアレとコレの資料を渡して欲しいの。ちょっと、自分なりに分析したいから」


「お前はハイエナか、俺がそうやすやすと渡せるか。これでも、ここの責任者なんだぞ」


「ふぅ、残念だなぁ、ちゃんと分析結果もお返しするのに。私なら、てこずっていたその人とアポがとれるのになぁ・・・。はぁ、本当に残念だなぁ」


「っすいませんでした、つらら様。ご協力宜しくお願いします」


「うん、素直でよろしい」