「宗助、あのねっ・・・」


「つららさんは態度を変えなくてもいい、気持ちだってゆっくり考えてくれていい。今、急に結論を出せるほど、器用でもねぇだろ」


俺は、つららさんに甘いな。
結局こうして甘やかしてしまう。


綺麗なくせに、男に無防備で危なっかしい女。

待てよ?男に対して、元々薄かった警戒心をなくさせたのは、・・・俺の責任かっ!!


まぁ、目の届く範囲なら、俺が守ればいいことだ。


マンションの前に車を止める。

つららさんにとっては、不意打ちのキスだろうが、とりあえずのところは全面否定をされていない。


「お前が知りたいって言ったから、伝えたんだ。とりあえず困っとけ。開き直った男は怖いぞ、覚悟しとけよ」


また、つららさんの顔が赤くなる。


「知らないっ!・・・あとっ、送ってくれてありがとっ、おやすみっ!」


可愛らしい反応だな。



この先どうなるかは知らないが、新しい関係も、またいいかもしれない。


今だけは、黒い感情が消えていた。