…駄目だ。


独り占めにしたい。


「志穂、ここから出よう」


「え、あっ…ちょっと待って」


志穂の細い腕を引っ張る。


会計を済ましてヘルメットを渡した。


「あ…あの志穂って」


やっぱり気付くか…。


「いいじゃん、俺の彼女なんだから」


いつか呼びたかった…


“志穂”って…。