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「伽羅ちゃんは、和希君のことが好きだった……
兄として、だけじゃなくーー」


茜は深く溜め息をつき、夜空に浮かぶ三日月を見上げた。


「……伽羅ちゃんが、そう茜姉に話した?」
 

青磁は三日月の描かれた煙草の箱から、
煙草を一本取り出し、口にくわえる。


「直接話してくれたわけじゃないけど、
苦しい時、寝てる時、
和希君の名を呼んでいたの」


茜は思い出す。
伽羅が苦しみ、和希の名を呼び続けていた


雪の季節をーー。