周りのみんなを見渡した太郎さんは留美で視線を止めた。
「あれ?君、すっごく可愛いね」
「え?あ、ありがとうございます」
「うん、なんかお人形さんみたい。ねぇもしかしてモデルさん?」
留美が嬉しそうに笑う。
「えっと…お姉ちゃんのお知り合いの方…ですよね?」
え!サキちゃんの妹さんなんだ。へぇ。ってちょっとびっくりした後、
んー、知り合いっていうよりもう友達かな、この前遊んだからね。
まぁまだ一回しか会ってないけどね、となんとなく太郎さんは満足げ。
……太郎さんの中では私はもう友達らしい。
なんてフレンドリー。
太郎さんは留美をニコニコしながら興味深そうに見てる。ちょっと離れたところから信吾さんの舌打ちが聞こえた。
私の隣でじっと太郎さんを見ていた優さんは、人の良さそうな笑顔を浮かべて、
「お連れの方が向こうで待ってますよ」
混んでるから一度離れたら大変でしょうと戻るように促す。
「んー、そうなんだけどあの子もう帰るみたい。
だから、またサキちゃん少し借りていい?
ほら、この前サキちゃんが置いてって返しそびれたものも返したいし」
もしかしてダメ?
と太郎さんもそんな優さんに、本人は人の良さそうな笑顔だと思っているらしい、胡散臭い笑顔を向ける。