「ねぇー信吾ー。留美、林檎飴ほしい、おっきいやつ」
「な、お前それくらい自分で買えよ!」
「えー、いいじゃん、ばか」
お腹すいたんだけど、って拗ねる留美に
「…うざいからそんな顔すんなよ」
「…信吾のケチ」
「…あー、もうっ、わかった!買う!!買えばいいんだろっっ」
根負けしたのは信吾さんで。
顔を真っ赤にして、余裕なさそうだった。
なんだかんだ文句言うくせに、言葉が荒いわりに信吾さんは留美にあまい。
「ほらよ」
「えへへ、信吾、ありがと」
嬉しそうに林檎飴を頬張る留美にさらに真っ赤になる信吾さん。うん、ほんとにあまい。
私と同じで、そんな二人のことをじっと見てたらしいゆいとくんに
「ほら。落っことすなよ」
と爽やかスマイルでスッと林檎飴を渡した爽馬さん。ほんとお兄さんみたい。
いいなぁ、こんな兄が欲しかったなぁ。
「えっ、僕に買ってくれたんですか?」
そんな、悪いです。
と申し訳なさそうにしながらも、結局
ありがとうございますっ!!
と、とろけそうな笑顔を見せるゆいとくんは犯罪級に可愛い。
リンゴ飴を頬張る様が、愛らしい。