絶対にフツーっぽい、は私の事で、すごく自分が惨めだった。
こういうのは、気になりだしたら止まらない。
『うわ、あの子ヤバい。まじ可愛い。
けど彼氏もちかよ、あー、くそっ』
『あの女なに!?
ちょっと顔いいからって調子乗ってるよねー』
『あの金髪の人いいなぁ』
『甚平着てる人よくない!?』
『あの人オーラヤバい、なんか麗しい?って感じ』
『一回でいいから話してみたい?いけるかな??
……まぁ無理か』
ハハッ、と笑いと共に吐き出された諦めの言葉。
『あの子何。ひとりだけ浮いてんだけど』
『あー、あれ?なんかすごい普通だな。カワイソーに、アレは浮くわ』
『なんかひとりだけ私服じゃん?あたしなら無理だわー。惨めで』
『あはは、カワイソー』
私以外に向けられる賞賛の声と、私に投げられる声。
最初からわかってたけど。
他にも私服の人はいるのに、この集団で私服の私は余計かわいそうらしい。あまりに惨めだった。