私とは違うから浴衣買って貰えたんだろうな。
だけど優さん達も買ってあげなくったっていいのに。だって私と同じ、そんな立場じゃないはずなのに、…凄く可愛いから、コミュ力高いから、許される。
夏祭りだってほんとはわざわざ連れて行く必要ないのに。
そもそも行く意味がわからない。行くにしても連れてく意味が分からない。
─あぁ、可愛いからか。
結局何を思っても行き着く結論は同じで。
やめてよ。本当、自分が惨めになる。華やかなこの人達とちがって、いつも通りのラフな格好の自分が悲しくなる。
別に連れて行ってくれなくてもいいのに。
むしろ一緒に行きたくない。
これならまだ、知らされなかった方がマシな気もする。
知らされずに事後報告されるのと、今みたいにあからさま一人なこの状況。
いったいどっちの方が私はつらいんだろうか。
いつのまにか下唇をギュッと噛みしめ、下を向いていたらしい。
「いつまでそこにつっ立ってるんだよ。」
私に向けられたその声に顔を上げた、その瞬間、いきなり優さんに手首を掴まれた。
急いでいるのか、優さんはそのまま手を引いて歩き出した。