「出かけますよっ!
起きて下さいっっ、さきさん!!」


そんな声で目が覚めた。
目の前には必死に私の服を引っ張るゆいとくんがいた。


「早くしないと遅いって怒られます!優さんめちゃくちゃ恐いんですよぉっ」



優さん…あんな外見王子様なのにやっぱり恐いんだ。
確かにしゃべったらイメージ全然違ったけど。慌てて起き上がるとゆいとくんに服をひっぱられ、寝起きにもかかわらず全力疾走するはめになった。

やっと止まったかと思うと昨日知った優さん、信吾さん、爽馬さん、留美がいた。

「…いつまで寝てるんだよ」


不機嫌そうな声をだしこっちを見たのは優さん。
他の二人は留美と楽しそうに話してる。いや、正確にはみんなちらっとこっちを見て、信吾さんにはうざったそうに軽く舌打ちされた。


「すみません…。
でも私どこかにでかけるなんて知らなくて」


慌てた私はとりあえず謝った。嫌みもしっかり言ったけど。

「ゆいとももっと早く連れてこい。」

「はいっ、ごめんなさい」

「…そんなおびえるなよ。別にこんな事で怒ってないから」

優さんは呆れたようにため息をついた。
そのまま行き先を教えられることなく車に乗って、ついた場所は高そうなお店だった。