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赤い世界。
底に一人たたずむ真っ赤な着物を着た少女。
顔が見えない。
でも、その子が悲しそうにこちらを見ているは分かった。
悲しそう。
目から雫がたれている。
泣いている？
どうして泣いているの？
なかないで。
そう口にしようとしたけど口が開かない。
どうして。
お願いこの子の傍にいかせて。
手を差し伸べる。
でも、届かなくて。
下からぽっかりと穴が開いた。
その中に私は落ちていく。
もっともっと深い紅の中へ。
（あぁ、もう駄目だ。）
そう思ったとき、あの少女が笑った。
