「で・・・でかいね。」

その先には、周りにあった花々の倍のデカさ、私の背丈の10倍も近いほどのでかい花。

しかも、倍の深い赤色だった。

異様な香りを漂わせて私たちを見下ろすような形で咲いている。


和歌斗それに触れようと傍に歩み寄る。

だがその手を椿が掴む。

「得体の知れないようなものにむやみに触れるな。」

その目は真剣そのもの。

和歌斗は苦笑しながら後ずさる。

「どうしよっか?」

志摩はぽつりと呟く。

その声は僅かに震えている。

「消えた町に不思議な霧、そして異様な花。絶対おかしいっ。夢見てるんだ。」

「的場・・・。」

弘明も苦痛の顔をしていた。

そっと手を握ってあげると顔を歪めて苦しそうに微笑む。

「・・・夢じゃ・・・ないんだ。こころの手あったかい。」

「・・・ごめんなさい。」

私の性だ。私の性で皆がこんな目に。

私が急に走ったりしたから。

こんな所に連れてきた私が悪いんだ。

弘明はあんなに止めてくれたのに。

私の性だっ!!



「・・・誤らないで?こころは悪くないよ。」

そっと私の添えていた手の上においてくる。

その手を私は振り払い皆に向き直る。

「ちがう!!私の性だっ!!勝手な行動とったりしたから!!私が急にはしったりしなかったら!!」