「とりあえずさ・・・此処にいるのはよくないかな。」

私は自分出来といたくせに無性に元の場所に戻りたくて言った。

志摩は頷く。

「確かに・・・歩いていけば【何か】あるかもしれないしな・・・。」

弘明はそう言うと先頭を切って歩き出す。

みんなもの奥にある【何か】に淡い期待を載せてとりあえず歩き出す。


地面には土を踏む感触。

ところどころに咲く花々。

その花は何故かどれも異様に見える。


「ねぇ、世喜亜・・・なんでこの花々・・・全部赤いんだろね。」


世喜亜も顔を青くしていた。

ふと、蓮に目をやる。

蓮はその花々を悲しげに見つめていた。

さっきの行動を思い出す。

あの時と同じ顔。



彼は顔を花々から背け弘明に近寄る。

「・・・おい、あれ。」

蓮は苦々しくその一点を見つめる。

つられて声を掛けられた弘明はその先を見る。


「んだありゃぁっ?!」

弘明は目を開かせる。

その驚きの声に皆もその先を見る。

「うおっ・・・!?」

「ちょっと、何あれ?!」