ガッ

私は唐突に掴まれた腕の痛みに顔を上げる。

顔を顰めた弘明がいた。

「お前、いい加減にしろ!!俺の声が聞こえなかったのかっ!!」

「そうだよっ!急にどうしたの・・・こころちゃん・・・っ。」

世喜亜はまだ荒い息を整えながら私を見つめた。

「・・・っ。」

私は自分の行動が信じられないというように皆を見る。

志摩は私を心配そうに見ていた。

ため息を吐くと歩み寄ってきた。

「こころ・・・大丈夫?この辺になんかあるの?」

そう言って辺りを見回す。

周囲を見て皆、唖然とする。





映画村、町が消えた。



さっき通ってきた裏路地がない。


「な・・・。」


皆言葉を失った。