「さて、どこかおいしそうなところはー・・・。」

私はその辺を見渡す。


ドクンッ


「っ?!」

背中を冷や汗が流れる。

今一瞬何か・・・。





「こっち!!!!!」




私は何故か背中を押されるように一直線に『その』場所に向かう。

そこに呼ばれているような気がして・・・。


「こころっ??!!」


弘明の驚いた声が後ろから聞こえる。

無数の走る音が私を追いかけてくる。




「こっちから!!」



「おい、こころっ!!!!」

私に追いついて横にくる弘明。

眉間に皺を寄せて叫ぶ。

「団体行動だっつったろ?!」

私はその声を無視して映画村の路地裏を抜ける。

複雑な建物を何個か抜けたところで足を止める。


はぁはぁ・・・


みんなの息を切らした声が聞こえた。

さっきまで晴れていた晴天も今は切りで覆い隠されている。