あ、やばい…。
首が痛くなってきた。

でも今動いたら確実に後で樹理にやられますよ。一週間は嫌がらせされますよ。
あれは耐えられない。


でもでも!
首が痛い…。




誰か助けてーーーー!!!!!!
Help me!








「朝から相変わらず酷いですね、涼兄」


…悪魔が天使に見えた瞬間でした。




「お、千暁おはよう」

勇は朝から爽やかすぎる笑顔を振り撒き、


「…おはよ」

樹理は顔を真っ青にしながら、俯いていた。ちゃっかり勇の制服の裾を掴んで。


「おはようございます。勇兄、樹理」

にっこりと笑ってるんですが、黒いですね。彼の笑みは。

それより、気付いたんなら助けてよ!


「まだ怒ってるんですか?」

はい、また俺無視してくパターンね!!


「…」


「?喧嘩でもしたのか?」


「喧嘩じゃありませんよ」

“虐め”です。
喧嘩なんて。そんな対等な立場なわけないじゃないですか。


「今度はもっと“面白い”のを借りてきてあげますから、機嫌直してください。ね?」


「!!!!」


「良かったなぁ、樹理」


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