私は18歳で


夢も愛もお金があれば


何でも手に入ると思った

だからといって


お金で何とかしようなんて


気持ちには


どうしても なれなかった


何のために



仕事をしているのだろうか




生活のためだ



何もない私は



仕事をして


生活をして


楽しみもなく



老いて消える



そう 考えれば




考える程


何かやり場のない



怒りと絶望で



生きることに



疲れはててしまった



19歳になった私は



自分が死ぬにふさわしい



大好きだった音楽を



死の曲を選びに


レコードショップへ向かった


そこで私は


まだ 売れていない


ひとりのアーティストの


ライヴビデオを見つけた


名も知らぬ


アーティストの


ビデオテープの表紙に

私は 自分と


似たような彼を


見つけた


その彼がこの先の



何もない私の



人生を意図も簡単に


変えるとは


その時の私には


想像もできなかった