思わざるを得ないような


環境だった


都内で歩いていれば



目の前に100万を



放りなげてくる



いかにもな人もいた



私はそういう人は


生まれつき慣れているので


帯に包まれた万冊のひと束を手に取り



「これ 落としましたよ」


と言った


「相手は足りないのか?」と私をみた




私をよくみた



そして謝って逃げるように消えた



そうこの街で


私に下手なことはできないんだよ


そして私はため息をついて



都内にはあまり行かなくなった



私はひとりだった



同棲していた彼氏も


ひとりだった


二人でいながらひとりだったんだ


あの時