亮太の気持ちは凄く嬉しい。こんなあたしを好きになってくれて。
あたしも亮太の事が好き。亮太の優しい所が好き。あたしが辛い時、亮太はいつも側に居てくれた。
だけど、あたしは……
「ごめん。亮太とは付き合えない」
あたしは頭を下げながら、亮太に謝る。
「あたしにとって、亮太は大切な友達で、大切なSounds mindの仲間なの。だから…答えられない」
亮太を恋愛感情で見れない。これがあたしの答え。
だけど、この答えが亮太を傷つけているのが痛いほど分かる。
「…そっか。俺の気持ち聞いてくれてありがとうな」
あたしのせいで、亮太が無理して笑う。あたしは、一瞬にして大切な人を傷つけた。
ごめんね…ごめんね。
罪悪感で胸が一杯になり、目頭が熱くなる。
だけど、ここで泣いてしまったら、もっと亮太を傷つけてしまう。
唯一、あたしに出来る事は、こぼれ落ちそうになる涙を堪える事。
「…ひとつ聞いていいか?」
あたしは小さく頷いた。
「……やっぱり、橘さんの事が好きなのか?」
「えっ?!」
予想外の質問に、思わず声を上げてしまった。