「唄ちゃん…ごめんね…。早く助けに来てあげられなくて…嫌なことさせちゃって、ごめんね…」
相原は泣きながら、唄に謝る。
「なんで佳奈が謝るの?!あたしが、佳奈を巻き込んだのに…。
こっちこそ、ごめんね。心配かけちゃって。だから泣かないで」
唄は、少し悲しそうな表情で、佳奈の頭を撫でる。
嫌なことってなんだ…?
相原の発言に、違和感を感じる。
俺は違和感を感じる理由が分かり、唄が右手に持っているホースを見た。
「これ?本当はこんなことしたくなかったけど…向こうも卑怯な手を使ってきたから、これでおあいこね」
俺の視線に気ずいた唄は、右手に握っているホースを見せながら、スッキリした顔で言う。
唄は、曲がった事が嫌いな性格。つまり、卑怯な手などもってのほかだ。
唄も、こんな方法を使いたくなかった。だけど、相原が傷つけられ許せれなかったんだ。
だから、相原は唄の性格を知っているからこそ、自分のせいだと責めている。
唄の大丈夫に安心をしていたから、こんな事になった。
結局何もしてあげられなかった。守ることすら出来なかった。
そして気づけなかった、俺たちの愚かさに痛感した瞬間だった。